ニューノーマル〜佐賀発!ものの「地産地育」運動

「ニューノーマル」は、個性豊かなものづくり文化をもつ佐賀県を舞台に、この土地ならではの「ものづくり」と「ものづかい」について考え、実践するプロジェクトです。佐賀県産業労働部経営支援課が担う「平成30年度佐賀県伝統工芸品等プロモーション事業」の一環として始まった本事業は、株式会社リパブリックとテツシンデザイン、そして筑後地域のアンテナとして幅広い活動を展開する株式会社うなぎの寝床の三社がプロジェクトチームを組み、協働しながら推進しています。

プロジェクトチームでは、「ニューノーマル」を、「身の回りの”土地の力”を無理なく、創造的に暮らしに取り入れることで、一層豊かな人生を手に入れていく営み」と捉えています。このような営みを佐賀に暮らす誰もが「普通に」実践できる仕組みを考案すべく、本プロジェクトではまず、コミュニケーションのありかたに着目しました。これまでの地域のものづくりは、基本的につくり手目線で行われており、つくり手とつかい手の間に分断がありました。その分断を解消して新たな会話の回路を生みだすために、このプロジェクトでは、ものの作り手と使い手、そして両者をつなぐ「一緒に考える人」がチームを組んで、手を動かしながら創造的かつクロスカルチュラルな対話を進めていきます。

平成30年度は、「たべる」「あそぶ」「はたらく」「いろどる」「くつろぐ」「おもいやる」という6つのライフスタイルを軸に研究会を立ち上げ、地域を知り、地域の中で育まれてきたものを現代の暮らしに取り入れる方法を模索しています。その成果は、12月に行われるトークイベントと、1月〜2月に行われる体験型展示会で発表する予定です。

VOICE

高坂葉月 (リ・パブリック、アシスタントディレクター)

規格品を消費する生活に慣れた現代の生活者にとって、自分が暮らす地域の素材やものを自分で選び、日常に取り入れることは、ハードルが高いと感じるかもしれません。ですが、ものや素材を通して地域と深く関わりながら、日常を自分の手で創造することは、日々の生活の質を高め、心豊かな時間を創造することに繋がるのではないでしょうか? このようなことが「特別なこと」としてではなく、「普通」に起こることを目指して推進しているのが、ニューノーマル・プロジェクトです。

担当する私自身、佐賀の自然の豊かさ、歴史の深さ、素材の多層性に舌を巻く毎日です。そしてそこに、つくり手や「一緒に考える人」が技術や手間を加えることで開ける新しい風景に、喜びを感じています。このプロジェクトを通じて関わる人が広いパースペクティヴを手に入れ、誰もが自由に暮らしを創造する豊かさを見出していただけたらと思っています。

CREDIT

  • 主催
    佐賀県
  • 企画・運営
    ニューノーマル事務局
    - 株式会社うなぎの寝床
    - 株式会社テツシンデザイン
    - 株式会社リ・パブリック
  • 一緒に考える人
    平田はる香/わざわざ 店主
    サワムラヒナ/花屋 tsumugi
    山倉あゆみ/ Sync board Inc.
    藤岡定/ anno lab、遠藤幹子/ Mother Architecture
    桜井祐/ TISSUE Inc. 編集者
    高塚裕子/ bowl 店長